「ラプンツェル」の塔があるグレンダーロッホへ
「週末のダブリンはどこに行くのがオススメ?」と尋ねたクラスメートに、ダブリン動物園もギネスストアハウスも蝋人形館も勧めない。みんな高過ぎるし退屈。週末はダブリンから出るんだよ! 本当のアイルランドはそっちにあるんだから」と答えたジョン(先生)。
とくに「グレンダーロッホは凄いよ!美しい」と言うので、バスツアーを予約して行ってきました、GrayLineの“Wicklow Mountains Tour”。
国立公園にも指定されているウィックロウ・マウンテンはダブリンから車で1時間ほどの近さで、そこには湖や丘やGlendalough (グレンダーロッホ)と言われる10世紀の教会跡がある。
集合は朝9時。ダブリンバス(地下鉄はなく、電車も少ない市内を隈なく走る公共交通機関)や、バス・エーラン(ゴールウェイというダブリンとは反対側、西海岸にあるアイルランド第2の都市や最果てのゴールウェイ、北のベルファストにも行く長距離バス)などの発着点があるシティセンターの中心地、O'Connel Street(オコンネル・ストリート)。
DART(ダート)と呼ばれる南北に走る電車で25分くらいだから、駅に8時に着けば余裕だなと考えていたけれど、朝、改めて
https://www.transportforireland.ie
というサイトで確認してみたら、最寄りのダートの駅の出発時間がなんと9時になっている。
そっか、通勤に使われる電車だから、週末は本数が少ないんだ!
あわててバス停に走る、走る。
日曜日の朝。学校の前にも通りにもほとんど人はいないなか、やってきたバスに乗り込んで、なんとか集合時間に間に合った。よかった(;´д`)
大型バスはいっぱいで、40人はいたかな。
驚いたのは、ガイド役を務める陽気なイワンが運転手でもあったこと!
街中では高速で右手や左手を案内するのは当たり前、対向車とすれ違うのも大変な細い山道を行くときも、その流暢な喋りが止まるときはない。
生粋のダブリンっ子は本当にいつも陽気。っていうか、感情表現が豊かで、人に距離を置かずによく喋る。英国人とは随分違うのだ。
さて、さまざまな映画の撮影にも使われているウィックロウ・マウンテン。映画『P.S.I love you』に使われた橋で写真を撮ったり、『スターウォーズ』や「ヴァイキング」という人気の海外ドラマにも使われた風景の中をバスは行く。
お昼はAVOCAという人口1000人ほどの織物の村のパブでランチ。
牛肉を使ったアイリッシュ・シチュー(伝統的なのはラムらしい)フィッシュ&チップス。
美味しい。
メインのグレンダーロッホでは、2時間くらい自由時間があって、ハイキングをしたい人は2つの湖をぐるりと回るコースを歩く。
朝から体調が悪い娘は苦虫を噛み潰したような顔で「無理!」と言うので、教会跡地を回って、湖を一つ見た。
10世紀の教会跡地は大切に保存されていて、墓地はいまも現役らしく新しいお墓に花が飾られている。
ペタンと地面に寝たお墓はうっかりすると跨いだり踏んだりしてしまいそうになり、注意、注意。でも、子どもたちは平気で踏んでいた。そんなの、気にしないよ、と墓は言っている気がした。
「ラプンツェル」に出てきそうな高い塔は石造りでどこにも入口はない。最初はあったのを塞いだのか、それとも最初からないのか、わからないけれど、クレーンもない時代に、どうやってこんなに高くまで石を積んだのか。中世の人たちの大変な暮らしと、その中でみんなで生き抜いた家族的なあたたかさがいまも息づいているような場所だった。
シティセンターには予定を1時間オーバーして18時半に到着。
よくわからずダン・レアリー行きと書いてあるバスに乗ったら、朝のバスとは違うルートで、1時間くらいかかってようやく着いた。
シェアハウスで料理をしていいのは基本20時まで。
昨日も守れなかったので、家で安く済ませたい気持ちを抑えて、ダン・レアリーのバス停側にあったイタリアン・レストランへ。
ダブリンではイタリアン・レストランがあちこちにあり、「アイルランド人はあんまり食べないよ」と聞いていたサラダや生野菜も人気のよう。
そういえば、シェアハウスには前の学生が残していったパスタやパスタソースの空き瓶が山ほどあった。
というわけで、昼も€31(4000円くらい)使ってしまった私たちは、普通なら一人分のスターター(サラダ)とメイン(ピザ)を二人で分けて食べる(おかげで€21)。
サラダがオシャレで驚いた!
初めてアイルランドらしい風景をたくさん観て、美味しく食べた観光の一日。
しかし、疲れた(^◇^;)
月曜日からはまた新しいクラスメートが加わって、新しいスタートだ(大分不安)。