55歳からのアイルランド留学日記

3ヵ月、ダブリン郊外の語学学校に通いつつ、ケルトの風に吹かれてくるよ〜

西へ。モハーの断崖へ

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U2明けの日曜日。
頑張って早起きして、東京からコンサートを観にやってきた友人と、娘のクラスメートと4人でモハーの断崖日帰りツアーに参加した。
アイルランドの西端にはいくつか凄い崖があって、その中でもモハーはその美しさで有名なところ。ダブリン中心地からバスで3時間半。
どこを切り取っても絵はがきになる緑の丘とのんびり草を喰む牛や馬、湖や川を眺めながら、一路バスで西に向かう。

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娘のクラスメートのアンジェラは、コロンビアからの留学生で、ひと月前からこちらに滞在している。娘にとっては初めてのクラスメートとの旅だけど、なんとか英語でコミュニケーションを図っている様子。
私はその後ろの席で、U2の感想を言い合ったり、だらだらと日本語のお喋りを楽しんだ。

 

あいにくの天気で霧がかかっていたけれど、長い時間をかけて荒波に削られた自然の要塞は、人間の手が及ばないものの屹立した美を湛えていた。
波の向こうに見えるのは、アラン諸島。アランの男たちは、いのちがけで海を渡らなければならず、女たちは独自の模様を編み込んだセーターを着せて、無事を祈ると同時に溺れてもわかるよう目印にしたという。

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カモメたちは崖など怖れることなくスイスイ飛んでいる。
私はへっぴり腰で近づき、200m下を覗き込んで、くらくら。
ジャガイモ飢饉のときには、ここから多くの住民たちが海を越えて西へ、アメリカ大陸を目指した。ちなみに、200mの高さから落下したら、たとえ下が海でも内臓破裂で間違いなく死に至るそうだ。
戦争中に(このモハーではないけれど)崖から海へ飛び込まなければならなかった人々は、どれほどの恐怖だっただろう。

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途中で娘らとはぐれ、合流してから尋ねると、もっと先へと歩いたらしく、写真を見ると霧が晴れ、空と海とがめちゃくちゃ綺麗だった。
あきらめが早い私たち大人とは違って、娘らは「霧よ晴れよ」と念じながらひたすら歩いていたらしい。
果たして霧は綺麗に晴れて、崖はその全貌を見せてくれたとか。

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その後、ボート(小型船)に乗って海から崖を眺める。
見事な地層は3億年前にできたそうだ。
波が穏やかな日にもかかわらず、アラン諸島にも行く船はけっこう揺れて、人間の小ささを思い知らせる。
ペンギンに見える岩の近くにカモメたちが集まっているのは、魚が集まる場所だからか。
飛べて、海の上で休むこともできるカモメたちに、私たち人間はどんな風に見えているのだろう。

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ダブリンに帰り着いたのは午後9時過ぎてから。
アイルランドを東から西へ横断したのだから当たり前だけど、けっこう長かった。
スペイン料理屋さんに入ってギネスを飲むと、いきなり2日間の疲れが押し寄せてきた。

濃い2日間だった。なんだか、もう、夏が終わってしまった気分……。

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