55歳からのアイルランド留学日記

3ヵ月、ダブリン郊外の語学学校に通いつつ、ケルトの風に吹かれてくるよ〜

チョコレート・フライデーに胸がキュッとなる

新しいクラスの先生、ジェラルディンは、金曜日にちょっとしたテストをやって、優勝チームにはチョコレートをくれると聞いていた。
名付けて“チョコレート・フライデー”。
3チームに分かれて対戦し、私たちのチームが優勝、チョコをもらった。
わーい。

 

でも、金曜日はお別れの日でもあって、ローラも今週で帰ってしまう。
日本食が好きだと言っていたので、帰る前につくってあげられたらなと思い立ち、朝、メールを送ったら、今日の夜は大丈夫とのこと。
クラスが終わって、買い出しにいこうとしていたら、娘が大きなバトラーズのチョコの箱を抱えてやってきた。
クラスメイトのアブドラにもらったという。

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自分の誕生日のプレゼントを買いにダブリンに行った帰り、買ってきてみんなに(と言っても娘のクラスはアブドラと娘だけ)くれたらしい。

アブドラは今日が誕生日。昨日買った服を枕元に置いて寝て、今朝開いて「あ、ギフトだ」とハッピーになったのだとか。うーん、ちょっと胸がキュッとする。


帰りがけに会ったのでチョコの御礼と「ハッピーバースデー」を言ったら、にっこりといい笑顔。18歳になったばかりのアブドラは、英語は苦手そうだけどとってもジェントルマンで、ドアは必ず開けて待っていてくれるし、休み時間に行ったスタバでは、私にまでカフェラテを奢ってくれた。なんだか帰りたくなさそうな風情に「今日の夜は予定があるの?」と聞くと、とくにないとのこと。おまけに、ホストファミリーも旅行中で月曜日まで帰らないという。

 

「誘う? 誘う?」と娘。あのキッチンに4人、入るのだろうか?
不安はありつつ、どうにかなるかとアブドラも誘って、大急ぎで買い出しへ。うどんや玉ねぎ、海老や苺やアイスを買って超特急で用意した。
海老、さつまいも、ズッキーニ、ピーマンの天ぷら、玉ねぎと人参のかき揚げに、ざるうどん、そしてわかめ茶漬けを混ぜ込んだおにぎり。
アレクシが美味しいと言っていたので、3日前のごはんをほぼそのまま再現。

でも白飯はだんだん慣れてきて、これまでで一番美味しく炊けた。

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そのうち、ローラがやってきて、アブドラがやってきて、狭いキッチンはドアも開かないほど詰め詰めに。
アブドラはアルコール禁止(サウジアラビアは厳格なイスラム教で肉食も禁止)、ローラと娘も飲まないので、乾杯のビールは私だけ。
気がつけば3人とも18歳だ。

 

サウジアラビアは誕生日を特別に御祝いすることも、プレゼントもないそうで、それが当たり前とはいえ、ストイックな生活に頭が下がる思い。
歌をうたって、御祝いを言って、狭いテーブルに並べたごはんを食べた。
好きな音楽を紹介し合ったり(ローラはフレンチのラップを紹介してくれた)、you tuberを見せ合ったり、たわいもないことを話して、デザートは苺&アイスクリーム(乳製品もダメなアブドラは苺だけ)。

 

3日間連続で一緒に過ごしたローラと、これからも連絡を取り合って、いつかフランスか日本で会おうね、と約束して別れる。

ローラはこの後ホームタウンを出てパリへ引っ越し。

でも、わずか2週間でたくさん友達をつくったローラだから、きっと大丈夫だろう。
自分のために買ったトミー・ヒルフィガーのダウンベストを着てローラを送っていくアブドラの後ろ姿は、やっぱりジェントルマンだった。

 

二人が帰って、とっ散らかったキッチンを片付けて、娘とまったり。
娘にとってはアブドラと二人だけのクラスも今日まで。来週になるとまた新しい生徒が入ってくる。
サウジアラビアのことを調べてみると、政治も司法も風習も文化ももの凄く違っていて驚くのだけれど、普通の観光ヴィザではまず入れない国らしい。
そうなんだ……。
あと1ヶ月一緒だけど、別れるときを想像すると、早くも胸がキュッとなる二人だった。

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