55歳からのアイルランド留学日記

3ヵ月、ダブリン郊外の語学学校に通いつつ、ケルトの風に吹かれてくるよ〜

アンナハーヴィ・ファーム〜馬とワインの日々〜

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 アンナハーヴィ・ファームのことを知ったのは、6ヶ月前。
行きつけのアイリッシュ・パブで貸してもらった地球の歩き方のビジュアル版に「忘れちゃいけない乗馬宿」という記事があり、目が釘付けになった。
初めて馬に乗ったのは21歳の時。ホームステイで行ったカリフォルニアの小さな町で、友人のホスト・ファミリーが馬を持っていて、乗せてもらったのだ。
その時の、馬との一体感。走りたい、と思えば、以心伝心、走ってくれたことが忘れられない(本格的な走りではもちろんない)。
その後、日本で一度乗っただけで、なかなか機会に恵まれなかった。でも、アイルランドでは乗馬宿があちこちにあって、乗馬は人々の楽しみであり癒しだという。
これは行くしかない、と12週間行く予定だった学校を2週間早めに切り上げることにしたのだ。

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1日目。
ベリーヨーグルトにパンケーキの朝食のあと、相談係の人が来てくれて、何をしたいかを聞かれる。何をしたいかと聞かれてもなぁ。ほとんど初めての私と完全に初めての娘。オススメは何ですか、と聞き返し、午前の1時間はインサイド・レッスン、午後はトラックと言われるアウトサイドに出ることにした。
同じ宿泊客のマーサとジルは、コロラドから来ている。
マーサは小さな農場を経営していて、乗馬も教えているとか。ジルは15年前に乗馬をマーサに教えてもらって以来の友人で、サマーバケーションでアイルランドにやってきて、スライゴーでも馬に乗って、それからここに来たのだという。
私たちが迷っていると、的確にアドバイスしてくれて、とても頼もしい。

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さて、いよいよレッスン。
私の馬はBasilという名前で21歳。たぶん私の年齢に合う落ち着きのある馬にしてくれたのだろう。そんなにからだも大きくない。
優しく落ち着きはあるものの、歩くのも遅いし、すぐに止まってしまう。まさに老体に鞭打っている感じ。大丈夫かな。


手綱の持ち方、足の置き場、お尻の上げ下げ、いろいろ言われて、わからないなりにやってみる。Trotと言う小走りは、ワンツーワンツーとリズムを取ってお尻を上げたり下げたりを繰り返す。タイミングが難しく、やっているとだんだん汗が噴き出してくる。

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娘の馬はRepertという白い馬で12歳。Basilよりはずっと元気だけど、ちょっとへそ曲がり。
1時間のレッスンはけっこう長く、終わったときにはお尻が痛くなっていた。

ランチはリーキ、人参、じゃがいもなどが入ったスープとパン。シンプルでとても美味しい。

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午後のレッスンはアウトサイドのトラック。
360度開けた風景はまるで絵画のよう。隅々まで光の粒を纏っているようにくっきりと輝いている。
水場や林、なだらかな坂、細い道を馬のリズムでてくてく歩いていくと、細胞の一つ一つが瑞々しく生まれ変わる気がする。

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この農場は5世代かけてつくったもので、さまざまなアップダウンを経験していまがある。家族経営で、どの人もフレンドリーで笑顔が爽やかで逞しい。
そして、たくさんの馬や牛、自由な犬や猫と共存している。

ダン・レアリーの犬たちも自由だったけど、ここの犬たちの自由度は別格だ。

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夕食はアイリッシュ・シチューにマッシュポテト。デザートはチョコレート・フォンダンにアイスクリーム。

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シンプルで洗練されていて、量が多くないのが嬉しい。ワインを添えて美味しく食べた。

出されたものを食べ、朝1時間、午後1時間馬に乗るだけの生活。なんて贅沢なんだろう。忙しすぎるあの人もこの人も、まとめて連れてきてあげたい。なんといっても、馬の顔は心のネジを完全に緩めてくれる。

それにしても、怠け者の娘はくつろぎすぎ。

完全に顔とお腹のネジが緩んでいる。

天高く、娘肥ゆる秋、なのだった。

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