55歳からのアイルランド留学日記

3ヵ月、ダブリン郊外の語学学校に通いつつ、ケルトの風に吹かれてくるよ〜

黄金の滝、間欠泉、地球の割れ目……ゴールデン・サークル・ツアーへ

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明け方早く目を覚まし、Reykjavik Sightseeing にメールを送ってみる。
いちばん早い勤務のスタッフの人が連絡をくれることを祈って。というのも、今日行く予定のゴールデン・サークル・ツアーが同じ会社の催行じゃないことが夜中にわかったから。
Get Your Guideというサイトで予約したので、同じ会社だとばかり思っていた。
メールを送るや返信が来た。電話で聞いた件、バスが確認できたので、ドライバーが出勤し次第、車内を探してみる、と。
ありがたい。どうぞ、ありますように。
7時過ぎに返信が来た、シートの上にあったとのこと。
よかったー!!

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私たちのゲストハウス、Arkturus までは入ってこられないので、Kerno Apartmentの前でピックアップのバスを待つ。今日はアイスランドで最もポピュラーなスポットを回るゴールデン・サークル・ツアー。
グトルフォス(滝)、ゲイシール(間欠泉)、「地球の割れ目」があるシンクヴェトリル国立公園、ケリズ火口湖、Faxi(滝)を回る。
催行はBus Travel Iceland。ガイドさんの英語はゆっくりで聞き取りやすい。アイスランドの名前は、ラストネームが「〇〇の息子」とか「〇〇の娘」になるそうで、お父さん、またはお母さんのファーストネームが「〇〇」にあたるそうだ。
へぇー。

 

発見されてからもしばらくは誰も入植しなかったというのもこの島の厳しさを伝える。“Isolated(孤立した)”という言葉が何度も聞こえた。
そして、「私たちは何でも食べる」という言葉の後に、牛、羊、馬、パフィン、サメ、クジラ……と。
厳しい自然と共存しながら生きぬいてきた人々。
地震も多いが、最も地震の多いクヴェラゲルジみたいな地方では一日に200回を超えるのだとか。でも、みんな慣れているし、たとえ起こっても大事には至らないという。
確かに、すぐ外へ逃げれば建物の下敷きになることはない。
火山の噴火に関しても、予知が進んでいて、事前に逃げることができるという。
そしてエネルギーはほとんど地熱発電で、物価がやたら高いアイスランドでいちばん安いのが電気代なのだとか。

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ガイドさんの話を聞きながら窓の外をずっと眺める。あちこちで湯けむりが上がり、鋭角のシェイプに圧倒される山があり、どこまでも続く大平原があり、アイルランドとは違う勇壮な顔の羊やちょっと小ぶりの馬が日がな草を食んでいて、苔むした大地には厳しい自然の中で芽吹いたいのちが感じられる。
夏は短く涼しいからたくさんの作物は実らない。
農業といえば牧畜。牧歌的な風景だけど、羊や馬は、毛を刈ったり乗馬に使われたりする以外は、いずれ食べられる運命にある。
毎時何万トンもの水量を誇る滝は一瞬として止まることを知らず厖大な量の水を叩きつけるように流し続ける。

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ここに住んでいる人は、この大自然を美しいと眺めているのだろうか。
それとも、自然の変化に比べてある意味退屈な日常から、創造性豊かな音楽や小説が生まれるのだろうか。

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緑の水溜りのようなケリズ火口湖からFaxiと呼ばれる滝、ひときわ大きく立派なグトルフォス(グトル=金、フォス=滝)を回る。この滝に水力発電所をつくる計画が持ち上がった時、反対の声をあげたのはひとりの少女。たった一人の声がこの滝を守ったのだ。

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ゲイシールでランチタイム。間欠泉はまさにマグマで沸騰した水が噴き出すところで、大地の鼓動のように波打ち、時が満ちれば噴き上げて、いっときも目をが離せなかった。

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最後はシンクヴェトリル国立公園。二つのプレートが分かれる「ギャオ(地球の割れ目)」は、ノースアメリカ大陸とユーラシア大陸が生まれた場所。
その距離はいま4kmだけど、毎日2〜3cm動いている。

地球は変わり続けている。

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帰りのバスの中でガイドさんが聞かせてくれたアイスランドの古い歌。

♪人生は石じゃない

しがみつくものじゃない

人生は水

常にかたちを変えるもの♩

決して明るくはない呪文のような歌が、窓の外に広がる景色と一緒に耳の奥に届いた。

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レイキャビクに戻ると16時半。
いったん家に戻って、港にあるReykjavik Sightseeingまでパスポートを取りに行くと、大きなスーパーの壁にある“Tokyo”と“Sushi”の文字が目についた。
パスポートが無事戻ってきて安心した私たちは、そのスーパーの寿司売り場で、昨日とは違う豪華な寿司をつい手にとってしまう。2350krだけど、ま、いいよね。アルコール度数2.5%のビールらしきものとナチョス、果物も買って家に戻る。

ああ、やっと現実を生きている感覚が戻ってきた。

そして寿司もビールらしきものもナチョスも、とっても美味しかった。

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