55歳からのアイルランド留学日記

3ヵ月、ダブリン郊外の語学学校に通いつつ、ケルトの風に吹かれてくるよ〜

ダブリンに帰ってきた!

  リヨン1泊、パリ2泊してダブリンへ。タラップを降りた瞬間(そう、タラップだった!)帰ってきたー!と空気で感じた。

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 まずは、涼しい! そして、タクシーの運転手さんはフレンドリーだし、アパートホテルのレセプションの女性もとっても親切。何がいいって、何を言っても“Very good!”、“Perfect!”と返ってくるところ。そして、怒られることがない。写真を撮っても、赤信号を渡っても。

 パリからやってくると、ダブリンの街は小さい。セーヌに比べるとリフィーの流れはこじんまりと慎ましく、大きな建物もあまりない。凱旋門勝戦を祝うために作られたアーチけれど、そういう意味では、ダブリンはある意味「負け組」。タクシーの運転手さんが「いまは英国のユーロ脱退の話題で持ちきり」と話していたけれど、長く英国に振り回され、その歴史はいまも続いている。

 だからこそ、ここには偉そうなおじさんがいない。そして女性たちは強く素朴であったかい。“Thank you very much” “No problem”を聴くたびに毛穴からアイリッシュの風が吹き込んでくる。

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 ダブリンでは、まず娘が大好きだった「Fish Shack」で、生牡蠣、フィッシュ&チップス、カラマリのフライ、エビフライを注文。ああ、やっぱりアイルランドの牡蠣は最高だ。ビール片手に何度も「美味しいね」と呟く夫。お腹いっぱいになってグラフトン・ストリートへと歩いていたら、ディングル半島のアイスクリーム“Murphy’s”を発見。こんなところにあったっけ? 2年の間にできたのかな。

 注文はもちろんディングル・ジン。ハーブの香りも爽やかで、ジンの美味しさに初めて気づいた味が口中に広がる。

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 目的地はケータイ電話会社の「3」。結局フランスではsimなしで過ごした娘は「ダブリンに着いたら、まず3に行くからね!」と息巻いていた。無事グラフトン・ストリートの端っこに店を発見。1ヶ月使い放題€20! 1ヶ月も要らないけれど、simを買って入れるだけで、電話も使えてこの安さ。迷わずゲットし、sim飢餓が解消された娘はホクホク顔だ。

 台湾で一人で過ごす時間、YouTubeに救われているという娘。どんな時でもYouTubeを見て大笑いすると生きていけるらしい。YouTuberは孤独と孤独を繋ぐ人……と気づかされる。

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 そのままセント・スティーブンス・グリーンへ。街歩きに疲れた観光客の休憩所でもある美しい公園には、鳥たちが以前と変わらずわんさかいた。木漏れ日がゆらゆら、緑は光に映えて鮮やかで、風は五月のように爽やかだ。カモメとやたら視線が合う。「エサをやらないでください」なんて看板はここにはない。

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 さ、チェックインできる時間になったから宿にいったん帰って洗濯をしよう。歩き出して、「Fallon & Byrne」を見つけ、朝食用の食材を買う。泊まっている宿は長期滞在型なのでキッチンがある。アイリッシュアップル・ジュースとフルーツをたくさんとトマトとモッツァレラとパンとバターと(アイルランドはバターが安価でめちゃくちゃ美味しい!)紅茶と塩とショッピングバッグを買って€40。意外と高かったけれど、食材を買うと「生活している」気がしてくる。

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 そのまま宿に向かおうとしたら「ここでおやつに“Chopped”を食べない?」と娘。サラダの食材を、葉野菜、タンパク質、追加食材、ドレッシングを選ぶと両側に柄のついた包丁でザクザク“Chop”してくれる店。来た道を引き返して店でアレコレ迷っている娘の食欲に呆れつつ、私は時差ボケがまだ尾を引いて猛烈に眠くなってきた。

 

 けっこうな距離を歩いて「StayCity Apartmenthotels」に戻り、ロッカーからスーツケースを取り出して、鍵をもらった部屋へ。これが本当にアパート的な造りで、迷路のような廊下を渡り、最後は荷物を持ったまま階段を下ることに。部屋に到着した時にはどっと疲れが。

 でも、さすがアパート、冷蔵庫は大きく、電磁調理器やお皿も完備、洗濯機と乾燥機も揃っていて、ありがたい。食材を冷蔵庫へ、3日分の洗濯物を洗濯機に放り込んで、娘が“Chopped”をモリモリ食べていたら、時間がなくなってきた。日本でチケットを取っておいた「リヴァーダンス」を観に行かなくちゃ。

 できれば早めに着いて一杯飲んだりしてから観たいのに、結局猛スピードで1.5kmを歩き、5分前に飛び込むことに。そして肝心のリヴァーダンス、座った瞬間に眠気が嵐のように襲ってきた。

 睡魔と闘いながらも超人的なダンスを観終わって、夫に感想を尋ねたら「下北とか渋谷にいる感じだった」と。なんじゃそりゃ? 3人で並んで観ていると、日本にいる気分になったのだそうだ。

 英国占領下でダンスも禁止されていた時、窓から見えないよう下半身だけでステップを踏んだ伝統的なアイリッシュ・ダンスを、世界に通用するようスタイリッシュにアレンジしたのがリヴァーダンス。タップダンスやフラメンコ、ロシアンダンスなど他国のダンスも織り込んで、上流階級のためじゃない、庶民のいのちを震わせるステージをたっぷりと観せてくれた。

 

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 最後はアイリッシュ・パブでギネスで乾杯。夫はアイリッシュビーフのサーロインステーキ・サンドイッチ、私はコルカノンを注文し、3人でシェア。どちらも素材の味が生きていてシンプルで美味しい。サラダがお腹に残っていたのか、「何もいらない」と言っていた娘も、結局しっかり食べた。女主人が“スロンチャ!”と2杯目のギネスを差し出した時、とても満たされた気分になったのだった。

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 そうそう、一つ忘れちゃいけないことが。2年前、グラフトン・ストリートで5回くらい会ったミュージシャン、まだ歌っているかな……とやたら気にしていた娘、通りを歩いていた時は遭遇できず、2年経ったから当たり前か……と言っていたら、マルーン像の前に彼が!

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 前よりヘアスタイルや雰囲気がクールになってて、イケメンに。ちょっと近寄りがたくてそのまま通り過ぎてしまったけれど、話しかければよかった、と後から。日曜日、またダブリンに戻った時に会えるといいな。

 さあ、明日はいよいよタラモアの乗馬宿、アンナハーヴィファームだ。