55歳からのアイルランド留学日記

3ヵ月、ダブリン郊外の語学学校に通いつつ、ケルトの風に吹かれてくるよ〜

雨の月曜日はジェイムズ・ジョイス

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さあ、7週目のスタートだ。
10週間の学生生活もいよいよ終盤戦。クラスにはなんと5人もの新しい学生が。イタリアンのミレナ、アレッサンドロ、フレンチ・ボーイのアントナン、スイスからのアイヴァン、スパニッシュ・ボーイのカルロス。
久しぶりに若返ったクラスの雰囲気は1週目を思い出させる。
でも、その時とは違って、縮こまったりはしない。「新入生? 何処から来たの?」 なんて先輩面で話しかける。

イタリアンでもフレンチでもスパニッシュでも、ボーイズ3人集まると悪ガキになる。
グループ・ワークで“I think that’s my business, don't you?”という返答を引き出す質問を考えるのに、いかにもティーンエイジャーらしい(ちょっと書けない)文面を答えて、ジョン(先生)も苦笑、というより冷や汗。
毎週雰囲気が変わるクラスを指導する先生は大変。

とくに典型的なアイリッシュのジョンはセンシティブなので、いつもより授業を抜け出す回数が増えている。

 

午前中は初めて(!)自分の部屋に掃除機(フーバーというらしい)をかけた。階下の大家さんのところから拝借したフーバーは、ダイソン。懐かしい轟音と強力な吸引力に気分もスッキリ。
ついでに洗濯まで済ませて、いつになく働いたせいか、夕方授業が終わると何もやる気がしなくなった。
外は雨。珍しく止みそうもない。季節が夏から秋に変わっていく感じ。

機嫌が悪くなった私は娘と喧嘩。一人で借りた本を返しに図書館へ。

途中、マーク(松井ゆみ子さんのパートナー)にばったり。

職場が学校の近くだから、そのうちばったり会えるかもねーっと話していたけど、本当に会えるなんて。

馬が好きで競馬にめっぽう詳しいマークに、今度馬の話を聞かせて、と雨の中慌しくお願いして別れる。

 

ダン・レアリーの図書館は出来たばかりで広々としていて、係の人は親切で、借りるのも返すのもオートマチック。3日前には返却のお知らせがメールで届く。
日本では長期未返却の督促ハガキが届く私だが、ここでそんなレッテルを貼られたくはない。
結局数ページしか読めなかったジョイスの『DUBLINERS(ダブリン市民)』を返しに行き、1時間くらい図書館で読んだ。
英語がスラスラとイメージとともに頭に流れ込んでくるようになるには、どのくらいの勉強と習慣が必要なのだろう。
でも、本当に静かな図書館で時折窓にあたる雨粒を見ながら読むジョイスは、なぜかすーっと入って来る気がした。
一生かかっても『ユリシーズ』は読めそうにないけれど、短篇集の『DUBLINERS』は読めたらいいなぁ。

結局『DUBLINERS』を借り直し、ついでにポーの『モルグ街の殺人』も借りて家路につく。

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少し機嫌も直ってきたので、晩ごはんのことを考え始め、少し残っていた鶏肉と野菜でピラフにしようと、野菜を刻んでおくように、と娘にメール。
いつもの店(21時くらいまで開いていて、果物や野菜や卵、冷凍食品やスパイス、トイレットペーパー等何でも売っている小さな店)でビリヤニ用のスパイスと書いてある瓶を買って帰る。
キッチンをレオとクエンティンに譲るために、炊けたピラフとサラダを抱えて早々に部屋へ。
しかし、テーブルも机もない部屋につき、鍋もサラダボウルも床置き。ああ、掃除機をかけておいて本当によかった。

部屋の灯りも1本切れてしまって、雨の日の暗い部屋での食事は、なんとなくだけれどジョイスの気分。
ビリヤニもどきのカレーピラフは、懐かしい昭和の味がした。

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