55歳からのアイルランド留学日記

3ヵ月、ダブリン郊外の語学学校に通いつつ、ケルトの風に吹かれてくるよ〜

スカスカのウィークエンド

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根っからの貧乏性なのか欲深なのか、土日になると何処かに行って何かしなくちゃいけない気分になる。
前日までにバスツアーを予約したら大安心。していなければイベントサイトを眺めたりして「何か」を探す。
8月最後のウィークエンドは貴重、まだ行ってないニュー・グレンジ&タラの丘ツアーを申し込もうか、フェニックス・パークで鹿に人参をあげようか、Howthのクリフ・ツアーに参加するか、迷ったあげく、どれもやめて近場で地味に過ごすことに。体調も完全に回復していないし、たまにはこういうスカスカの週末も必要かも。

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土曜日はいつものテンプル・バーのフード・マーケットへ。
さすがにカキは避けて、小さなコロッケやリンゴ・スープに。リンゴ・スープにはちょっぴりウィスキーを入れてもらった。からだが温まって美味しい。
6月末、ダブリンに来たばかりの頃に行ったThe gutter book shopに行って、サリーが好きだと言っていたShamus Heaney(シェイマス・ヒーニー)の本を探す。
いろいろ調べてみると日本にも何回か訪れたことがあるそうで、代表作の一つ「digging」を朗読しているシーンも観ることができた。
北アイルランド、デリーのカトリックの農民の家に生まれ、隣人同士がいがみ合う中で血と銃弾の音に囲まれて育ち、「血の日曜日事件」(1972)をきっかけに南に引っ越したものの、土地と人間との繋がり、家族、居場所、平和……を考え続けた詩人。
ふっと福島の農民を思い出す。
Shamusというのは完全にアイリッシュの、カトリックの名前で、英語だとJamesなのだとか。刻印されたアイデンティティと時代の理不尽、人間の底に潜むものとペン一本で立ち向かった人……。
いろいろ揃っている中で、最初の詩集『Death of a Naturalist』(1966)の復刻本を買う。

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久しぶりに歩いて疲れたので、バトラーズで甘ーいホット・チョコレートを飲んで一服。店の外では馬車も一服。
こんな日は、劇場でゆっくりしたいなぁ、と『リヴァーダンス』のGaiety Theatreへ行ってみる。サイトではソールドアウトだったけれど、窓口ではアッパーサークルの一番上、見切れる席が空いていて、€26。
前に観にきた時とは違って舞台は遠かったけれど、客席の熱気が直に感じられ、全体のフォーメーションも観ることができて、また良かった。
頭と上半身は固定されても、腰から下は自由にはさせない。
火が出るような足の動きはレジスタンスそのものだ。

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そして日曜日。いつものピープルズ・パークへ行ってみると、ものすごい人、人、人。
昨日からやっている夏の終わりのウクレレまつり。

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小さな子どもからシルバーエイジまで、犬たちもたくさん集って、ピースフルな空気が燦々。

さまざまな地域からやってきた出演者の中で、たった一人でウクレレの弾き語りをしたミュージシャンがとてもよく、潤いのある深い声とウクレレの音があたり一帯に広がると、空もカモメも緑の木々も人々も一枚の絵の中でキラキラと輝いた。

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りんごやヨーグルトやきゅうりを買って帰ると、アレクシにばったり。やはりピープルズ・パークに行っていたという。
部屋には机もテーブルもないのでキッチンで折り紙を折っていると、見て「知ってる」と。
「じゃあ、折って」と1枚渡すと、ものすごく複雑なのを折り始めた。びっくりして見ていると、立体的な花瓶が完成。
「ユー・アー・ジャパニーズ!」と娘。


アレクシに折り紙を教えてもらいながら暮れゆく日曜日の午後。

ラジオからはずっとストーンズがかかってた。

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