55歳からのアイルランド留学日記

3ヵ月、ダブリン郊外の語学学校に通いつつ、ケルトの風に吹かれてくるよ〜

馬とラムチョップと誕生日

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朝、カーテンを開けると青い空。やった!
何処でもそうだけど、特にアイスランドはお天気で気分が全然変わる。今日が晴れていてよかった。“Hotel Frost & Fire”は、オーロラ&温泉に加えてスローフードな朝食が自慢の宿。とくに温泉スチームで蒸したライ麦パンと温泉卵が美味しいらしい。
9時過ぎにのんびり食べにいくと、昨日とは違う景色が広がるレストランは爽やかな空気でいっぱい。

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自家製Skyr(カッテージチーズとヨーグルトの中間みたいなの)やバターミルク、シリアル、自家製パン、自家製木苺のジャムにオレンジマーマレード、ほうれん草と生姜のスムージー、自分で焼くワッフルなどが並んでいた。
温泉卵をつくりたい人はスタッフにお願いすると、必要な個数の卵をくれて、釣り竿の先にぶら下がったネットに自分で入れて持っていく。
蒸気が上がる石窯に入れると、初めてなのに、なんとなく懐かしい。ああ、小学校の遠足で行った別府温泉で見た温泉卵だ。
結局、蒸した卵は固茹でで、あのトロリとした食感は味わえなかったけど、とても充実した朝ごはんだった。

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予定はとくに決めていなくて、宿でゆっくりできるといいと思っていたけれど、根っからの貧乏症に加えて今日は娘の誕生日。ずっと宿にいるのももったいない、と、乗馬ツアーに電話したら、午後、ホテルに迎えにきてくれるとの返事。ラッキー。
車を待つ間、ホテルの側を流れる川まで降りてみる。
渓流釣りの人が来てるから、魚がいるのだろう。
川からは湯気が上がっているから水はあったかいのかも、と触ってみたら冷たかった。そしてとても澄み切っていた。

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アイスランドの馬は、アイルランドの馬とは随分違ってポニーのように小さい。
でも、氷原を何キロでも走る強さを持つという。
車で20分ちょっと、Horse Rentalの看板を曲がると、アイルランドの羊よりひと回り大きくふかふかした羊たちが草を喰んでいた。

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ドイツから来たという家族と一緒に馬に乗って歩き始める。小さくて大人しく、手綱を少し引いただけで方向を確実に変えてくれるので安心して乗っていられる。
でも、娘と私の馬は食いしん坊のようで、しょっちゅう草を食べていた。
勇壮な山々、広がる大平原、羊や馬の群れを眺めながら2時間以上散歩。美し過ぎる景色を何度も網膜に焼きつける。
聞こえるのは羊たちの啼き声だけ。
雄大な景色を持って帰ることはできない。

気がつくと娘の馬がいない。インストラクターの女性は私たちを放って、娘のもとに。
ドイツからの家族は乗馬に慣れていて途中で小走りを始める。私は必死でついていく。
この時の、なんというか、風と大地と馬と、一体になった感じ。とにかく、気持ちよかった。

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しばらくしてから娘の馬が戻ってきた。

ホテルの手前で降ろしてもらい、昭和の香りたっぷりの(とこちらが思っているだけ)の店でソフトクリームを食べる。
「いいね、この辺に住んでる子かな」と娘。「うらやましい」
「なんで?」と聞くと「いつもこの店に来られるから」。ふーむ。

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早めの晩ごはんは、炭火焼きラムチョップが美味しい店へ。
私は3本、娘は4本。


羊さん、ごめんね。ありがとう。手を合わせていただく。
「これ、超・美味しい」と娘。
誕生日の抱負は、「人生楽しく生きたい!」だとか。
それだけは毎年変わっていない。努力とか忍耐とか根気とかに全く無縁、というか関心がない。
まあ、なんとか、生き抜いていってくれますように。

外へ出ると満天の星。
北斗七星も北極星カシオペア座もくっきり見える。
てくてく宿まで帰って、オーロラが見えるのを期待して露天風呂に入る。
カリフォルニアから来たというカップルと一緒に待つが、オーロラかと思いきや厚い雲が広がってきて、一気に空を覆い隠してしまった。
でも。
雲の上には星がある。
芥子粒のような私たちを天蓋のように包んで。

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