55歳からのアイルランド留学日記

3ヵ月、ダブリン郊外の語学学校に通いつつ、ケルトの風に吹かれてくるよ〜

ダブリンへ。ダン・レアリーへ〜サヨナラ、私の友達〜

ダブリンへ帰る日。
あいにく天気は雨模様。
クヴェラゲルジの温泉宿“Frost & Fire”で2日目の朝食を食べ、タクシーを呼んでもらってバス停へ。
バス停の近くには壁画というか落書きがあり、シザーハンズセックス・ピストルズの絵が。

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写真を撮っていたら、雨は止み、虹が架かった。
Mjoddの駅で乗り換えてBSIバスターミナルへ。行けなかったブルーラグーンのヴァウチャーを空港までのシャトルバス、Fly Busのチケットに交換してもらってケプラヴィーク空港へ行く。
移動の度に乗るバスだけど、窓から見える景色に何度もシャッターを押してしまう。

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何もかもが激しく厳しく美しい国
最後に思ったのは、ここでなら運転できたんじゃないか、ということ。
とにかく道はまっすぐで一本道。
でも右側車線だし、日本でほとんど運転してないから、勇気がなかった。
国際免許証、せっかく持ってきたけれど。
いつかまた来る時は、レンタカーを借りよう。

そして、自分のペースで自然と向き合えれば、また違う旅になるだろう。

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ケプラヴィーク空港に早めに着いたので、アイスランド・ウールの毛糸やブランケット(ウール製品は物価が高いこの国で唯一、普通の値段!)、チョコなどお土産を選んでいたら、またゲートまで走ることになった。

心配していた再入国のイミグレーションも、日本に帰るチケットを見せたら無事通過。

アイスランドを挟んだけれど、トータルすると3ヶ月を超えるので、ずっと心配していたのだった。

出国すればチャラになるという人と、いやそうじゃない、と言う人と。実際のところははっきりわからず、入国管理官の裁量にかかっているんじゃないか、と言われることが多かったので、クリアできて本当によかった。安堵してサラダとサンドイッチを買って、ホテルまでタクシーを拾う。


そしてホテルに着くと、ラウンジにたくさん人がいて、お喋りしながらギネスやワインを飲んでいた。
その時の、ふんわり柔らかく包まれる感じといったら。
ああ、帰ってきた。ホテルのベッドに横になると、すぐに眠りに落ちた。

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翌日は、ダン・レアリーのシェアハウスに預けてきた荷物を取りに行く日。
ホテルの近くでバスに乗り、まずシティセンターへ向かう。
2階建てのバス、独特のアナウンス、窓の外に見えるギネスの看板、たくさんのパブ、巨大な街路樹、青い空と力強い雲……。
全てが懐かしく迫ってきて、そう思えることを幸せだなと思う。

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シティセンターでは最後のお土産を買う。私にとっては最後でも娘にとってはほとんど最初。
アイルランドのものが一堂に集うキルケニー・ショップで、さんざん迷った末に、娘はチョコやショートブレッドアイリッシュウィスキーのケーキなどを買っていた。
私はアイリッシュ・リネンや石鹸、チョコレートや紅茶を見る。

買い物のあとはカフェで一服して、バスでダン・レアリーに向かう。
バスから見える景色が妙に懐かしい。何度も何度も乗ったバス。でも、今日で最後、と思うと、いろいろな思い出が蘇って来る。

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ボールズブリッジのダブリン・ホースショー。
ローラ、アレクシ、賑やかなイタリアン・ガールズと行ったブラックロックにあるフィッシュ&チップスとイタリアン・フードの店。
ダン・レアリーの海。
海の色はひときわ濃く、白いヨットが眩しかった。

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ペニーズで€50のスーツケースを買って、シェアハウスへ。
ドアを開けると何も変わってなかった。
そして、私たちの荷物も、置いていったそのままの姿でそこにあった。
懐かしい我が家に帰ってきた感じがするが、それは気のせい。もう、ここに私たちの場所はない。

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買ったばかりのスーツケースに、はみ出した荷物と今日買ったお土産を詰めて、学校へ。
3週間の旅には必要ない、と置いてきた荷物。持ち歩いた荷物も十分重かったのに、さらにこれが加わると思うと気が遠くなってくる。
常に限界ギリギリ、大荷物を抱えて、時間がない!と叫びながら移動している私たち。

全然大人になれないなぁ。

 

15分遅れで到着した私たちを、授業が終わったアンジェラ、アナンダが玄関で待っていてくれた。
アナンダとは3週間ぶりの再会。アンジェラとは1週間ちょっと。

でも、本当に懐かしい。
ジェラルディン、ジョンにも挨拶。
学校はこの間いろいろ変わったようで、ジェラルディンは先生たちの統括責任者になっていた。だから授業はほとんどジョンが受け持っているらしい。

ジョンは“Hi,ladies! Did you survive?”とアイリッシュらしい挨拶。
「また会うからサヨナラは言わない」と言っていたジェラルディンに、“Goodbye”と言われ、本当にそうなんだなぁと思う。


わずか10週間だったけど、人は幾つになっても学べる、それを教えてくれた素敵な先生たち。
アイスランドで買ってきたチョコレートをジェラルディンに、自然石に古代文字が書かれたペンダント(あらゆる厄災から守る)をジェラルディンのお母さんに、小さなウォッカのボトルをジョンに渡す。
そして、アナンダとアンジェラには、それぞれ“Love”と“Success of Buisiness”と書かれたペンダントを。

夜はレストランのバイトが入っているというアンジェラ。ディナーはそこへ行くことにして、それまでの時間、アナンダとマクローランズ・バーで過ごす。

学校最後の日に来た店だ。同じ席、同じホットチョコレートとギネスで乾杯。


学校の最近の様子や私たちが旅で観てきたものをお互い報告し合いながら、前の時はまた会えると思うと淋しくなかったけど、今日は本当に最後……いう思いが募ってくる。
でも、コロンビアか日本か、はたまたハワイで会えるよね。

日本に来るなら春がいいよ。

そしたら、一緒に桜の下でおにぎりを食べながらお酒が飲めるよ。

え? コロンビアには季節がないの? 本当に?

そんな話をしながら、だらだらとお喋り。

 

アンジェラのバイトが始まる19時過ぎにレストランへ移動。アナンダは私の重いスーツケースを運んでくれる。
店の階段を必死に上ると、メイクをし、髪を綺麗にひっつめたアンジェラが迎えてくれた。前に来た時より慣れて、きびきびと滑らかに動いている。
娘はチキン・ティッカ・マサラを、私はキングプローン・サグを、アナンダはマッシュルームなんとかを注文。量はとんでもなく多く、最後はみんな目が泳いでいた。

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年齢も国籍も育った環境も全然違うけれど、大切な友達。
とってもラブリーで、ちょっと変わってて、アメイジングな友達。

でも、別れは必ずやって来るもの。いくら予習しても、慣れないもの。

バス停で、何度もハグして、最後は吹っ切るように歩き出し、二度と振り向かなかったアナンダ。

その後ろ姿を見送って、バスに乗った。