街角に音楽! 食材! グラフトン・ストリートの楽しみ
『ONCE〜ダブリンの街角で』という映画がある。
主人公(グレン・ハンサード)はダブリンの売れないストリート・ミュージシャン。
ばったり出会ったチェコ系移民の女性(マルケタ・イルグロヴァ)とたまたま入った楽器屋でセッションしたら、初めてとは思えないくらい二人の息はぴったりで、素晴らしい曲ができ、レコーディングすることになって、夢が叶いそうになるのだけれど……というストーリー。
二人は実際にミュージシャンで、その曲は素晴らしくて、ハリウッド映画とは全然違うザラッとしたリアリティに胸がキュンとなる物語なのだけれど、実際にダブリンの街角には音楽が溢れてた。
グラフトン・ストリートに連れていってくれたのは、写真家で料理研究家の松井ゆみ子さん。
トスカーナ・ワインを飲みながら美味しいイタリア料理を食べたあと、「ここは日本の銀座みたいな通りね」と案内してもらった。
見覚えがある通りだなぁと思ったら、前日に山下直子さんのガイドブック片手に歩いた界隈だった。
毎日歩行者天国の通りだとかで、グレンみたいに路上でギターを弾いているミュージシャンがあちこちに。
その日は雨だったけれど、それでもフードを被った人が歌ったり演奏したりしていた。
ゆみ子さんが食材を買うと入ったのは「Fallon & Byrne(ファロン&バーン)」。
あ、ここも、お茶とジンジャーエールを買ったところだ。
聞けば、地下にはワインセラーとバーもあって、食材が充実している人気店なのだとか。
パンとネクタリンを買って帰る。
翌日(ダブリン4日目の昨日)は、オコンネル・ストリートのThreeというケータイ会社でSIMカードを買ったあと、そのまま歩いて再びグラフトン・ストリートへ。
1592年創立の名門、トリニティ・カレッジで数々の映画のモデルにもなっているオールド・ライブラリーを観て、路上で音楽を聴き、アナログ盤充実のレコード屋を覗き、セント・スティーブンス・グリーンというプラタナスの木々が見事な公園でポテチを食べ、ファロンで食材を買って帰る。
ずっと気になっていたムール貝をついに。1kg弱で€3.8 ! 安い!
ムール貝は帰ってからワイン蒸しに。水牛のモッツァレラとトマト、レタスのサラダも添えて。なんと娘は60個も食べた。
学校が始まるまで、完全に呑気な旅行者の二人……。