55歳からのアイルランド留学日記

3ヵ月、ダブリン郊外の語学学校に通いつつ、ケルトの風に吹かれてくるよ〜

「眼ほどいいカメラはない」

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今日の授業もつらかった。
自分ができないだけならいいのだけれど、授業はほとんどがチーム制。2人か3人のチームで回答するから、私がいると他の生徒の足を引っ張ってしまう。
現役高校生ならではのスピード感についていけず、出題意図を取り違えたりする私は本当にお荷物。
時々は私のほうが合ってて、高校生が間違えているときもあるのだけれど、彼らの自信に私は負けてしまう。
実際、彼らは圧倒的に溌剌と輝いているし。

そんなことを松井ゆみ子さん(アイルランド在住の写真家兼料理研究家さん)に愚痴ったら、こんな励ましのメールをもらった。
「語学は『ツール』。若い子たちは現役学生だから、ツールは早く使えるようになるけど、話す内容に乏しいでしょう?
経験豊富な人生の先輩ですもの、少しずつそういう面が出していければ、ぐっと楽しくなりますよ!」

含蓄のある言葉に感じ入る。

楽しくなったらいいな。
そして、愚痴りたくなるようなこんな日々も、終わってしまえば、きっと眩しく思い出すのだろう。

 

さて、昼食はクラウディアとアンという16歳のスクールメートと一緒にカフェで取り、本屋で料理の本とfilofax (英国のバインダー式手帳の老舗)を買い、夕方からは学校主催のボウリング@ブレイへ。
ブレイはダン・レアリーからさらに南へ下った海辺の町で、とても美しい場所だと聞いていた。
ところが、待ち合わせの時間にダート(電車)の駅に行くと、誰もいない。
何か間違えたかと不安になっていたら、引率のサリーがやってきて「今日の参加者はあなたたち二人だけ!」。
私たちだけのためにわざわざ申し訳ない……(>_<)と言ったら「ノープロブレム! さあ、行こう!」とサリー。

初めて急行電車に乗って、ブレイへ。
窓の景色がどんどん変わって、大きな海がバーンと広がる。

ダン・レアリーとはまた違う、伊豆の感じか。

海が藍と水色のグラデーションを描いて光っている。
あ、あそこに見えるのは白鳥じゃないか。

 

ボウリング場は駅前にあった。
かなり古く、人はあんまりいなくて、専用靴もなければ、ボウルはボコボコ。
でも、形状は全く同じで嬉しくなった。
ガーターを怖れないサリーの投球は豪快で、なぜか気持ちが軽くなってくる。
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結果は娘が優勝、続いて私、サリー。
数週間前に引き取った保護犬の世話があるから家に帰るというサリーと別れて、海沿いの道を歩く。
随分低そうな水温の中、果敢に泳いでいる人がいるなぁと思ったら、海辺には「DANGER」の札が。
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信号を渡るときもそうだけど、自分の行動の責任は自分でとる。
そう、ほとんど「禁止事項」がない。
時折すれ違う犬もほとんどリードを付けていなかった。
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出来たばかりらしい、小洒落たレストランに入って、ムール貝の白ワイン蒸しとタイ・グリーンカレーを注文。
相変わらず、もりもりムール貝を食べる娘に「あら、あなたたちムール貝を食べているのね。美味しい?」と聞いてくれる素敵なご婦人。
サービスもよく、食事も美味しく、そして(いつものことだけれど)お客さんはみんな満ち足りた顔をしていた。
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お会計をしたら、半パイントのギネスにソーヴィニオン・ブラン1杯、ジンジャーエールにアイスクリームを食べて€38。リーズナブル!

 

店を出たら21時半。
青空とどんよりした雲と最後の光が混ざった海は本当に綺麗だった。
でも、私のiPadではその色を捉えることができない。
そのとき、娘がひと言「眼ほどいいカメラはない」。
座布団一枚。
すっかり気分よく、今日も帰路につく。
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