55歳からのアイルランド留学日記

3ヵ月、ダブリン郊外の語学学校に通いつつ、ケルトの風に吹かれてくるよ〜

ジョイス・タワーまで走ってみた

昨日、クラウディア(16歳)に「ダン・レアリーは好き?」と聞いたら、「もちろん! 走るのに最適だし!」という言葉が返ってきた。
そうだ、私も、ダン・レアリーに来たら走ろう、と思っていたのだった!

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55年生きてきて、運動らしい運動をしたのは中学の3年間くらい。40を超えて水泳を習い、しばらくハマった以外はあんまりしてこなかった。
でも、来たるべき高齢化を迎え撃つために何かしなくちゃ、と、ここ3ヶ月くらい「ラジオ英会話」と「ひよっこ」の間に走っていたのだ。

走り方を教えてくれたトレーナーの山口敬志さんも「留学中も体調を整えるために走ったほうがいいですよ、絶対」と言っていた。

でも、それ用に持って来たiPodのバッテリーは切れているだろうな……と思っていたら、まだかろうじて残っていた! 伴走してくれるのはHEATWAVEだ。

 

閑静な住宅地を抜け、海沿いの道に出て、海藻が張り付くゴロゴロした岩を見ながら、ジョイス・タワーを目指す。気温は16℃くらいかな、風も快適で全然疲れない。
途中で海に入れるスポットを発見。見れば、私よりずっと高齢の人たちが水着に着替えて海に入っている。水はいかにも冷たそう。でも、短い夏、海に入るのを楽しみにしているのだろう、次々に水着のバッグを抱えた人たちとすれ違う。

ジョイス・タワーは、ジェイムズ・ジョイスが1904年の9月に6日間泊まったことで彼の博物館となっていて、入館は無料。ボランティア・グループによって運営されている。
もともとは1804年に英国軍がナポレオンの侵攻に備えて建てた塔だ。
ここは改めて訪れるとして、外側から眺めて走り続ける。

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なんて快適な海沿いラン。iPodから流れるHEATWAVEがまたぴったりで、このままどこまでも走り続けることができそう……と思っていたら、道に迷った。
微妙にカーブを描く道、似たような街並み、気がつくと帰り道とは違う方向へ。駅が見える、と思ったら、一駅先の駅だった。
何も持ってこなかったから若干の不安もよぎりながら、でも、迷子って久しぶり、と妙な感慨にも浸りながら、カンを頼りに道を選び、ふっと家の前の道路に出たときの感動といったら。

走ることは自分の身体への信頼を育てる。

頭のモヤモヤを身体が吹き飛ばしてくれたりする。

ダブリンの街中の賑やかさ、便利さも捨てがたいけれど、この街に越してきて、やっぱりよかったなと思った。

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金曜日はクラスメートと別れる日。
2週間一緒だった4人のクラスメートがそれぞれイタリア、フランスへと帰っていく。
毎日ケータリングのバイトをしていて、授業中いつも眠そうで、着てきたセーターは必ずきちんと畳んでテーブルに置いていた、フットボールハードロックカフェが好きなルカ。
勉強ができて、日本に行ったら富士山と桜が見たいと言っていたエリーサ。
背が高くて彫りが深い美人で、隣にいると見とれてしまったカリーナ。
鳥山明が好きで、ノートの端にマンガを描いていて、宮崎駿は「ハウルの動く城」が好き、と言っていたリオ。
たいした話もしなかったし、友達という関係にもなれなかったけれど、二度と会うことのない私のクラスメート。
それぞれの、これからの人生が、幸せに満ちたものでありますように。

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