55歳からのアイルランド留学日記

3ヵ月、ダブリン郊外の語学学校に通いつつ、ケルトの風に吹かれてくるよ〜

弱ったときの、“男飯”?

8月21日。
夜中にハッと目を覚ます。胃のあたりがなんとも気持ちが悪い。起き上がるともうダメだ、トイレに直行。
うーん、昨夜遅くに食べたサーモンの鮨があたったのか。コークからのバスの車内が妙に寒かったせいか。わからないけど、頭は重く冷や汗が出てくる感じ。前に風邪をひいたときの何倍も体調が悪い。スヤスヤ寝ている娘をうらやましく眺めながら、何度も起きてトイレに行った。

 

朝起きると娘も体調が悪いという。仕方ない。学校はお休み。一日中寝て過ごした。食欲は全くなし。
お茶を淹れに行った娘はシェアメイトのアレクシに会い、“How are you?”と挨拶され、“I feel sick”と正直に答えたら、「それは大変。欲しいものとかあったら、アレクシ!って呼んでね」と言われたとか。
なんてありがたい言葉だろう。


助けを求められる人がいるというだけで、気持ちも体調も違ってくるものだ。

結局朝から緑茶と梅干ししか食べられず。具合が悪いとき、動物は食べない。身体中の水分が出切って気分はスルメ。
夜になって多少お腹は空いてきたものの、とても何かをつくる元気はなく、お腹が空いたと騒ぐ娘に「クラッカーでも食べたら?」と言って寝続けた。


寝ていると、夫とスカイプをする娘の声。
「いまクラッカー食べてる。とうのハンバーグが食べたい。目玉焼きが乗ってるやつ」
病みあがりに、どんだけ脂っこいものが食べたいんだ! と思いつつ、夫のハンバーグはおふくろの味なんだろうなぁ、と思った。

 

8月22日。

朝の授業に間に合うように早めに起きたものの、立ち上がるとまだフラフラする。先生の話を聞いていればいい授業ならなんとか受けられても、会話の多い授業はちょっと無理。仕方なく今日も休むことに。
金曜日も入れると3日も休んでしまった。ジェラルディンやジョン、アナンダやアンジェラに会いたいなぁ。

そして、緊急事態発生。最後のトイレット・ペーパーがなくなった。これはアレクシに頼むしかないよね……。娘はすぐにもらって来て、「何か買ってくるものとか、食べたいものがあったら言ってねって」。
昨日に続いてアレクシが神様に思える。料理なんてほとんどできないのに。

 

昼前にやっとフラフラが収まり、お腹が空いてきたのでキッチンに行ったらアレクシがいて「これからライスとナゲットをつくるけど、食べる?」と。
「味噌汁をつくるから、大丈夫。ありがとう」と答えたものの、ライスが気になって「どうやってつくるの?」と尋ねると「うーん、僕はまだ一度もライスをつくったことがないんだ」。
「じゃあ、私がつくるよ」と言ったとたん、「つくらないほうがいいよ。食あたりならまだしも風邪だとうつすといけないし」と娘。確かに。

 

ライスだけちょっとちょうだいね、と言って、狭いキッチンに一緒にいるのもなんなので、部屋に戻ると、しばらくしてノックの音。
なんと丼にボイルドライスが大盛りで、その上にナゲット。それが二つも。さらにケチャップとマヨネーズも添えてある。

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申し訳ないので一つありがたくいただくことに。
ナゲットはとても食べられないと思ったものの、目の前にすると食べられるもので、オーブンでカリッと温めたナゲットは意外に美味しかった。塩味のついたライスも不思議にいける。
初めてのナゲット丼、たぶん一生忘れない。

 

そして、夜。なんだかキッチンが騒がしい。
娘がお茶を淹れに行くと、なんと5人のボーイズがキッチンにひしめき合って料理をつくっているらしい。すかさずアレクシが「つくったら持って行こうか?」と言うので、「サンキュー」と答えたらしい娘。
再びノックの音がして、ハンバーグとパプリカと玉ねぎと人参をニンニクで炒めてどーんとライスの上にのっけた丼が二つ。レオとクエンティン作だとアレクシ。
「イッタダキマース?」

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ありがたくて可笑しくて、涙が出そうだった。