55歳からのアイルランド留学日記

3ヵ月、ダブリン郊外の語学学校に通いつつ、ケルトの風に吹かれてくるよ〜

人生を生きるに値するものにするEvery Brilliant Thing

さあ、土曜日だ。
娘は風邪気味、遠出はやめて、夕方からはダン・レアリーにあるパヴィリオン・シアターに芝居を観に行くことにした。

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それまでの時間、遠足気分で、再度ボノの家を見に行くことに。

ボノの家(というか別荘?)は、Dalky(ドーキー)というここから南に3kmくらいの港町の郊外、Killiney (キライニー)というところにあるらしく、一度ドーキーまで行って駅前のお店で聞いてみたら、歩くには遠いよとのことだったので、今度はキライニーを目指して行ってみる。
目の前のバス停から途中まで行けそうだったので、あえて電車じゃなくバスにしてみたら、変な場所で降りてしまった。
キライニー駅まで随分遠い。他の交通手段もないので、ひたすら歩くことに。

この周辺は、アイルランドでも土地の値段が高い地域らしく、豪邸がたくさんあった。車がないと生活は不便そうだけど、高台で海が見える。日本なら鎌倉の風情か。
ボノの家はあきらめて、豪邸ウォッチングをしながら歩く、歩く。珍しく陽射しが強く、久しぶりに汗をかきながら。

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歩いているうちにキライニー・ヒル・パークというところに出た。
見晴らしがよく、子どもの遊び場があって、森があり、犬が散歩している美しい公園。
子どもたちのキラキラした笑顔を見ながら休憩し、森の中の道を歩き出すと向こうから笑顔で歩いてくる人が。
娘のクラスメートのアンジェラ(コロンビアからの留学生。22歳)とばったり。
アンジェラはランニングの最中だとか。さらにびっくり。
私たちがひいひい言いながら歩いてきた距離を、走ってきて、さらにその後芝生で腹筋を鍛えたり、ストレッチしていた。

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2〜3週間の生徒が多い中で、アンジェラは唯一私たちより長く学校にいる(8ヶ月)留学生。
コロンビア。
いったいどんな生活を送り、どんな想いでここに来たんだろう。
いつかゆっくり話せる機会があればいいな、と思いながら、ヒルトップから海と街を展望し、ドーキー駅からダン・レアリーに戻った。

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パヴィリオン・シアターで観たのは『Every Brilliant Thing』という一人芝居。
図書館に置いてあったシアターガイドで見つけて、なんとなく役者さん(James Rowland )
の顔が気に入って行ってみたのだけど、とっても魅力的な舞台だった。

舞台は平場で、取り囲むように客席がある。
開演前から役者さんはそこにいて、メモを書いた数枚の紙を持ってウロウロ。そして、席に着いたお客さんにランダムに何か囁きながら紙を渡している。
私たちはつい最前列に座ってしまい、大後悔。あ、これはお客さんと一緒に創り上げる舞台かも。一枚、危うく渡されそうになったが丁重にお断りして、芝居が開幕。

私には半分くらいしか聞き取れず、エンディングも今ひとつわからなくて残念だったのだけれど、7歳のときにお母さんが自殺を図った男の子が「世界のEvery Brilliant Thing=人生を生きるに値するものにするすべてのリスト」をつくりながら成長していく物語。
たくさんの笑いと悲哀が詰まっていて、それが客席のお客さんとともに演じられる。

ある人は主人公の飼っていた犬を安楽死させたお医者さん。
ある人は主人公のお父さん。
ある人は主人公の大学の先生。
ある人は主人公の初めてのガールフレンド……etc.
どの人も(仕込みのお客さんではないはず!)見事に、丁寧に、そして堂々と演じていて、素晴らしかった。
他のお客さんも多くが紙を渡されていて、

⒈アイスクリーム
⒉水遊び
⒊夜遅くまで起きてTVを観るのを許されること
⒋黄色
⒌縞模様
⒍ジェットコースター
⒎転んじゃう人

など、数字を言われた瞬間にその言葉を言う役。
危うく⒍を渡されそうになって断ったけれど、あ、参加できたかも、とちょっと思う。

リストは何万にまで及び、彼の人生は結婚や破局も経験する。
1時間15分くらいの舞台に、大切な人の死(それも自殺)を経験し、もがきながら生きていく主人公の人生が、ユーモアと皮肉たっぷりに描かれる。

脚本を書いたのはダンカン・マクミランという実験的な舞台を数々発表している気鋭の作家で、この作品は初演が2015年で、次々と公演が決まっている。
https://www.painesplough.com/play/every-brilliant-thing

調べてみたら、ジョージ・オーウェルの『1984』をベースにした戯曲が来年4月に日本で上演されるそうだ。
https://spice.eplus.jp/articles/128510

娘は「サッパリわからなかった。一番前で時々カクッてなって申し訳なかった」と言っていた。でも、本があったら読みたい、とも。戯曲として出版もされているようだった。
私は大好きだった日本のドラマ『Mother』を思い出した。

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坂元裕二脚本、芦田愛菜が一躍注目された2010年のドラマで、シングル・マザーの母親(尾野真千子)に虐待されている彼女は、やはりノートに好きなものリストを綴っていた。

もう少し聞き取れたら、もっと作品を深く味わえたのにな。
でも、いい芝居、いいお客さんに出会えて幸せな気分で外に出ると、夕陽というには強すぎる光が教会を照らしていた。

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 (サンディコーヴにあるイタリアン・レストランのパスタ、3度目。これもBrillant Thing!)

 

ジョイス・タワーまで走ってみた

昨日、クラウディア(16歳)に「ダン・レアリーは好き?」と聞いたら、「もちろん! 走るのに最適だし!」という言葉が返ってきた。
そうだ、私も、ダン・レアリーに来たら走ろう、と思っていたのだった!

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55年生きてきて、運動らしい運動をしたのは中学の3年間くらい。40を超えて水泳を習い、しばらくハマった以外はあんまりしてこなかった。
でも、来たるべき高齢化を迎え撃つために何かしなくちゃ、と、ここ3ヶ月くらい「ラジオ英会話」と「ひよっこ」の間に走っていたのだ。

走り方を教えてくれたトレーナーの山口敬志さんも「留学中も体調を整えるために走ったほうがいいですよ、絶対」と言っていた。

でも、それ用に持って来たiPodのバッテリーは切れているだろうな……と思っていたら、まだかろうじて残っていた! 伴走してくれるのはHEATWAVEだ。

 

閑静な住宅地を抜け、海沿いの道に出て、海藻が張り付くゴロゴロした岩を見ながら、ジョイス・タワーを目指す。気温は16℃くらいかな、風も快適で全然疲れない。
途中で海に入れるスポットを発見。見れば、私よりずっと高齢の人たちが水着に着替えて海に入っている。水はいかにも冷たそう。でも、短い夏、海に入るのを楽しみにしているのだろう、次々に水着のバッグを抱えた人たちとすれ違う。

ジョイス・タワーは、ジェイムズ・ジョイスが1904年の9月に6日間泊まったことで彼の博物館となっていて、入館は無料。ボランティア・グループによって運営されている。
もともとは1804年に英国軍がナポレオンの侵攻に備えて建てた塔だ。
ここは改めて訪れるとして、外側から眺めて走り続ける。

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なんて快適な海沿いラン。iPodから流れるHEATWAVEがまたぴったりで、このままどこまでも走り続けることができそう……と思っていたら、道に迷った。
微妙にカーブを描く道、似たような街並み、気がつくと帰り道とは違う方向へ。駅が見える、と思ったら、一駅先の駅だった。
何も持ってこなかったから若干の不安もよぎりながら、でも、迷子って久しぶり、と妙な感慨にも浸りながら、カンを頼りに道を選び、ふっと家の前の道路に出たときの感動といったら。

走ることは自分の身体への信頼を育てる。

頭のモヤモヤを身体が吹き飛ばしてくれたりする。

ダブリンの街中の賑やかさ、便利さも捨てがたいけれど、この街に越してきて、やっぱりよかったなと思った。

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金曜日はクラスメートと別れる日。
2週間一緒だった4人のクラスメートがそれぞれイタリア、フランスへと帰っていく。
毎日ケータリングのバイトをしていて、授業中いつも眠そうで、着てきたセーターは必ずきちんと畳んでテーブルに置いていた、フットボールハードロックカフェが好きなルカ。
勉強ができて、日本に行ったら富士山と桜が見たいと言っていたエリーサ。
背が高くて彫りが深い美人で、隣にいると見とれてしまったカリーナ。
鳥山明が好きで、ノートの端にマンガを描いていて、宮崎駿は「ハウルの動く城」が好き、と言っていたリオ。
たいした話もしなかったし、友達という関係にもなれなかったけれど、二度と会うことのない私のクラスメート。
それぞれの、これからの人生が、幸せに満ちたものでありますように。

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「眼ほどいいカメラはない」

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今日の授業もつらかった。
自分ができないだけならいいのだけれど、授業はほとんどがチーム制。2人か3人のチームで回答するから、私がいると他の生徒の足を引っ張ってしまう。
現役高校生ならではのスピード感についていけず、出題意図を取り違えたりする私は本当にお荷物。
時々は私のほうが合ってて、高校生が間違えているときもあるのだけれど、彼らの自信に私は負けてしまう。
実際、彼らは圧倒的に溌剌と輝いているし。

そんなことを松井ゆみ子さん(アイルランド在住の写真家兼料理研究家さん)に愚痴ったら、こんな励ましのメールをもらった。
「語学は『ツール』。若い子たちは現役学生だから、ツールは早く使えるようになるけど、話す内容に乏しいでしょう?
経験豊富な人生の先輩ですもの、少しずつそういう面が出していければ、ぐっと楽しくなりますよ!」

含蓄のある言葉に感じ入る。

楽しくなったらいいな。
そして、愚痴りたくなるようなこんな日々も、終わってしまえば、きっと眩しく思い出すのだろう。

 

さて、昼食はクラウディアとアンという16歳のスクールメートと一緒にカフェで取り、本屋で料理の本とfilofax (英国のバインダー式手帳の老舗)を買い、夕方からは学校主催のボウリング@ブレイへ。
ブレイはダン・レアリーからさらに南へ下った海辺の町で、とても美しい場所だと聞いていた。
ところが、待ち合わせの時間にダート(電車)の駅に行くと、誰もいない。
何か間違えたかと不安になっていたら、引率のサリーがやってきて「今日の参加者はあなたたち二人だけ!」。
私たちだけのためにわざわざ申し訳ない……(>_<)と言ったら「ノープロブレム! さあ、行こう!」とサリー。

初めて急行電車に乗って、ブレイへ。
窓の景色がどんどん変わって、大きな海がバーンと広がる。

ダン・レアリーとはまた違う、伊豆の感じか。

海が藍と水色のグラデーションを描いて光っている。
あ、あそこに見えるのは白鳥じゃないか。

 

ボウリング場は駅前にあった。
かなり古く、人はあんまりいなくて、専用靴もなければ、ボウルはボコボコ。
でも、形状は全く同じで嬉しくなった。
ガーターを怖れないサリーの投球は豪快で、なぜか気持ちが軽くなってくる。
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結果は娘が優勝、続いて私、サリー。
数週間前に引き取った保護犬の世話があるから家に帰るというサリーと別れて、海沿いの道を歩く。
随分低そうな水温の中、果敢に泳いでいる人がいるなぁと思ったら、海辺には「DANGER」の札が。
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信号を渡るときもそうだけど、自分の行動の責任は自分でとる。
そう、ほとんど「禁止事項」がない。
時折すれ違う犬もほとんどリードを付けていなかった。
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出来たばかりらしい、小洒落たレストランに入って、ムール貝の白ワイン蒸しとタイ・グリーンカレーを注文。
相変わらず、もりもりムール貝を食べる娘に「あら、あなたたちムール貝を食べているのね。美味しい?」と聞いてくれる素敵なご婦人。
サービスもよく、食事も美味しく、そして(いつものことだけれど)お客さんはみんな満ち足りた顔をしていた。
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お会計をしたら、半パイントのギネスにソーヴィニオン・ブラン1杯、ジンジャーエールにアイスクリームを食べて€38。リーズナブル!

 

店を出たら21時半。
青空とどんよりした雲と最後の光が混ざった海は本当に綺麗だった。
でも、私のiPadではその色を捉えることができない。
そのとき、娘がひと言「眼ほどいいカメラはない」。
座布団一枚。
すっかり気分よく、今日も帰路につく。
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『リヴァーダンス』に見る反骨とプライド

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アイルランドは憧れの地ではあったけれど、訪れたことはなかった。

イギリスまでは行っても、アイルランドはなんだか遠く感じて、どうしても行きたいとは思わなかった。

海外にしばらく住みたいなぁ、と思ったのは昨年の夏。思いついたのはニュージーランドやオーストラリアで、ヨーロッパはちょっと難しいだろうと思っていた。

それを劇的に変えてくれたのは友人からの年賀状。

「娘はダブリンに留学中」。

その一言にぐっと来た。

ダブリン……!

すぐに「ダブリン 留学」と検索したら、いい情報しか出てこない。

調べれば調べるほど魅力的な街。夫は昔旅したことがあって、「いい街だよ。あそこだったら僕も住みたいな」。

U2、ホットハウス・フラワーズ、エンヤ、クランベリーズetc.アイリッシュ・ミュージックは元々大好きだった。そして私の友人たちは口を揃えて「アイルランド! いいなぁ〜」と言い、アイリッシュの文化と歴史、自然の美しさ、人の温かさを滔々と語った。

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というわけで、いま、ここにいるわけだけど、今日はそもそものきっかけをつくってくれた友人夫婦、娘ちゃんと会う日。

友人いわく「好き過ぎて、毎日でも観たい」『リヴァーダンス』を一緒に観に行った。

チケットは前持って取っていて、一階席の真ん中のとてもいい席。

古いオペラハウスのように舞台を客席が円形に囲むゴージャスな空間で、雰囲気があり、バーも併設されている。

『ONCE』の時以上に、妙齢の紳士淑女、子どもたちなど幅広い年齢層が客席を埋め尽くすなか、ケルトの調べが荘重に鳴り響き、毎年3ヶ月のロングラン興行をしている舞台が始まった。

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休憩を挟んで2時間15分。

この晴れがましい舞台の裏には、どれほどの血と汗と涙が流れているんだろう……と想像せざるを得ないパフォーマンスだった。

そもそも16世紀に侵攻した英国軍にゲール語も踊ることも禁止されたなかで、窓から見えないように足だけで踊ったことがアイリッシュ・ダンスの始まりと言われているけれど、凄まじい反骨精神とアイリッシュの誇りが滴るようなダンスだった。

16人の踊り手は終始笑顔で、上体を真っ直ぐ伸ばしたまま、下半身だけで伝統的なステップを小気味好く刻む。一体どれほど練習すれば、こんな風に踊れるんだろう。

時折挟まれる歌や演奏、フラメンコ、ヒップホップの要素を加えたタップダンス、ロシアン・ダンスがそこに新しさと変化を時にユーモラスに加え、フィナーレまでどんどん上昇曲線を描いていく。

一つ一つのパフォーマンスも、エンターテインメントとしての構成も、客席との一体感も、凄まじい熱気に満ちて見事だった。

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実は、今日は授業で凹むことがあったのだけど、終わりよければ全てよし。

明日にはコペンハーゲンへ発つという友人夫婦からは草加せんべいのお土産までもらって、のんびりバスでダン・レアリーまで帰る。

笑顔と伸びた背筋。

反骨とプライド。

これからまた凹むことがあったら、観にいこうっと。

 

 

 

「足るを知る」この国の生活スタイル

今日は朝から曇り空、気温は14℃。夏とは思えないくらい肌寒い。

けっこう早く準備ができたので早めに家を出る。

この時期、街には本当にいろいろな花が咲いている。

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そして、ドアの色の綺麗さにも感動する。

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聞いてはいたけれど、いまさらに驚くのはオートマ車が1台も走っていないことだ。

そしてレコード店に行くと、アナログ盤がCDが同じくらい置いてある。

新しいものが出ても、すぐさま古いものを駆逐していない様子。

そういう頑固さというか、あるものを大事にする姿勢がいいなぁと思う。

加えて、歳を重ねた人の佇まいが幸せそう。

高齢の夫婦が仲睦まじく支え合うように歩いている姿をよく見かけるし、なんといっても中高年男性の顔に妙なアクがない。そして女性は堂々としていて、年齢を誇りにしているようにも思える。

ないものを追い求めるより、現状を受け入れ、慈しむ。そんな空気がここにはある気がする。

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そんなことを考えながら歩いていたら、後ろからやってきたイアン(先生)が声をかけてくれた。

先生たちの佇まいも、妙な明るさでなく、落ち着いた丁寧さがあって、親切で、いいなぁと思う。

 

クラスはイタリアからとフランスから、2人新しい生徒が入って10人。

「もうイタリアンはいらない」ともらすヴィットリア。

たった一人のフランス人だったリオは思わずガッツポーズ。

それにしても、私のクラスの平均年齢は、私を除くと18歳。

私を入れると、えーっとひとり3歳ずつ分けてあげて21歳か(いらないって!)。

授業の開始時間2分前になっても来ているのは私くらいで、1分前に先生、そしてパラパラとやってくる。そして授業中にりんごやお菓子を食べ始める子も!

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昼は値段重視でアジアン・キュイジーヌへ。

凄いボリュームでけっこう美味しかった。二人で€16。得した感じ。

文房具兼本屋さんやインテリア・ショップ、雑貨屋さんに寄り、初めてのお孫ちゃんが生まれた大家さんに渡すちょっとしたプレゼントを探すが見つからず、あきらめかけたとき、今日からオープンしたというポップアップ・ショップ(期間限定ショップ)を発見!

情けない顔のアルパカ(?)とアロマキャンドルを買った。

 

夕飯は初めてごはんに挑戦。

日本から持ってきた大事なお米には手をつけず、こちらで買ったSUSHI RICE。

水、火加減に注意して、おこげもつくらず完璧に炊けた!と思ったのだけれど……

やっぱり日本の米はサイコーなのだった(>_<)

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2週目スタート。少しだけ楽しくなってきた

月曜日はちょっと憂鬱だ。

新しい生徒が加わって、またあの猛スピードの授業についていくのかと思うと(実際には置いていかれるのだけど)気分は“I don't like Monday~🎶”

朝はセシルが残していったじゃがいもと卵を茹でて食べた。

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ところが、学校に着いてみるとクラスは元のまま、減っただけで増えていなかった。

8人でこじんまり、WHを使った質問を考えたり、答えたり、会話を中心とした授業。

イタリア人のヴィットリアと話していたら、お互いの国の文化の違いがわかって面白かった。

「どんな音楽が一番嫌い?」と聞かれて「アイドル・ミュージック」と答えたら通じなかった。

そりゃそうだ、アイドルって言葉の意味も全然違うし、日本独特の文化だしね。

ヴィットリアが嫌いなのは、クラブでかかっているエレクトロニクス・ミュージックなのだそうで、渋谷では購買意欲を促進させるためにお店でガンガンかかっているんだよ、と言うと(こんなにちゃんと喋ってないが)すごくびっくりしていた。

イタリアからの生徒とスペインからの生徒が普通に喋っているので、「イタリア語とスペイン語は似ているの?」と聞いたら、「とっても似ているから、話すのには全く問題ない」との返事。

「中国語と日本語は似ているの?」と聞かれ、全然違う、と答えたものの、中身を説明するのは難しい。

日本語には漢字とひらがなとカタカナがあることを説明するが、いったい漢字って何文字あるんだ?とわからなくなる。

3000? いや5000? 調べてみたら常用漢字人名用漢字が合わせて3000。もっと漢字に詳しい人なら6000字は知っていると出てきた。で、実際には5万字あるのだとか。びっくり。

そう思うと、凄いじゃん、日本人!と思えてくる。

ジョン(先生)も「日本語は凄い。僕にはそんな漢字を覚えるなんてとっても無理!」と。

休憩時間に娘のクラスを覗くと、珍しくニコニコ笑っている。隣にはポーランドからの生徒とコロンビアからの生徒。互いの国の言葉を教え合っていて、何度も発音の練習をしている。

コロンビアからのアンジェラは8ヶ月も滞在するのだとか。冬を経験するのは生まれて初めてのことらしい。

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というわけで、午後からの授業3時間を終えて、スーパーで買い物をして帰る。

ダブリンで見た日本の食材も発見。困ったらここで買えばいいと思うとひと安心。

なんだか幸せだな。勉強して買い物をしてごはんを作って食べるって。

テレビがないことも全然不自由に感じない。

夕飯はナポリタンとりんごとセロリのサラダ。

シェアメイトのアレクシスにも声をかけて、彼のシェパーズパイもシェアして食べた。

フランス語の女性名詞と男性名詞を教わりながら。

知ってた? ミュージックは女性名詞なんだって。

 

明日からは、ぐっと生徒が増えるんだろうな。

でも、自分のペースでやればいいか、と思えてきた今日。

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「ラプンツェル」の塔があるグレンダーロッホへ

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「週末のダブリンはどこに行くのがオススメ?」と尋ねたクラスメートに、ダブリン動物園もギネスストアハウスも蝋人形館も勧めない。みんな高過ぎるし退屈。週末はダブリンから出るんだよ! 本当のアイルランドはそっちにあるんだから」と答えたジョン(先生)。

とくに「グレンダーロッホは凄いよ!美しい」と言うので、バスツアーを予約して行ってきました、GrayLineの“Wicklow Mountains Tour”。

国立公園にも指定されているウィックロウ・マウンテンはダブリンから車で1時間ほどの近さで、そこには湖や丘やGlendalough (グレンダーロッホ)と言われる10世紀の教会跡がある。

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集合は朝9時。ダブリンバス(地下鉄はなく、電車も少ない市内を隈なく走る公共交通機関)や、バス・エーラン(ゴールウェイというダブリンとは反対側、西海岸にあるアイルランド第2の都市や最果てのゴールウェイ、北のベルファストにも行く長距離バス)などの発着点があるシティセンターの中心地、O'Connel Street(オコンネル・ストリート)。

DART(ダート)と呼ばれる南北に走る電車で25分くらいだから、駅に8時に着けば余裕だなと考えていたけれど、朝、改めて

https://www.transportforireland.ie

というサイトで確認してみたら、最寄りのダートの駅の出発時間がなんと9時になっている。

そっか、通勤に使われる電車だから、週末は本数が少ないんだ!

あわててバス停に走る、走る。

日曜日の朝。学校の前にも通りにもほとんど人はいないなか、やってきたバスに乗り込んで、なんとか集合時間に間に合った。よかった(;´д`)

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大型バスはいっぱいで、40人はいたかな。

驚いたのは、ガイド役を務める陽気なイワンが運転手でもあったこと!

街中では高速で右手や左手を案内するのは当たり前、対向車とすれ違うのも大変な細い山道を行くときも、その流暢な喋りが止まるときはない。

生粋のダブリンっ子は本当にいつも陽気。っていうか、感情表現が豊かで、人に距離を置かずによく喋る。英国人とは随分違うのだ。

 

さて、さまざまな映画の撮影にも使われているウィックロウ・マウンテン。映画『P.S.I love you』に使われた橋で写真を撮ったり、『スターウォーズ』や「ヴァイキング」という人気の海外ドラマにも使われた風景の中をバスは行く。

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お昼はAVOCAという人口1000人ほどの織物の村のパブでランチ。

牛肉を使ったアイリッシュ・シチュー(伝統的なのはラムらしい)フィッシュ&チップス。

美味しい。

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メインのグレンダーロッホでは、2時間くらい自由時間があって、ハイキングをしたい人は2つの湖をぐるりと回るコースを歩く。

朝から体調が悪い娘は苦虫を噛み潰したような顔で「無理!」と言うので、教会跡地を回って、湖を一つ見た。

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10世紀の教会跡地は大切に保存されていて、墓地はいまも現役らしく新しいお墓に花が飾られている。

ペタンと地面に寝たお墓はうっかりすると跨いだり踏んだりしてしまいそうになり、注意、注意。でも、子どもたちは平気で踏んでいた。そんなの、気にしないよ、と墓は言っている気がした。

ラプンツェル」に出てきそうな高い塔は石造りでどこにも入口はない。最初はあったのを塞いだのか、それとも最初からないのか、わからないけれど、クレーンもない時代に、どうやってこんなに高くまで石を積んだのか。中世の人たちの大変な暮らしと、その中でみんなで生き抜いた家族的なあたたかさがいまも息づいているような場所だった。

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シティセンターには予定を1時間オーバーして18時半に到着。

よくわからずダン・レアリー行きと書いてあるバスに乗ったら、朝のバスとは違うルートで、1時間くらいかかってようやく着いた。

シェアハウスで料理をしていいのは基本20時まで。

昨日も守れなかったので、家で安く済ませたい気持ちを抑えて、ダン・レアリーのバス停側にあったイタリアン・レストランへ。

ダブリンではイタリアン・レストランがあちこちにあり、「アイルランド人はあんまり食べないよ」と聞いていたサラダや生野菜も人気のよう。

そういえば、シェアハウスには前の学生が残していったパスタやパスタソースの空き瓶が山ほどあった。

 

というわけで、昼も€31(4000円くらい)使ってしまった私たちは、普通なら一人分のスターター(サラダ)とメイン(ピザ)を二人で分けて食べる(おかげで€21)。

サラダがオシャレで驚いた!

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初めてアイルランドらしい風景をたくさん観て、美味しく食べた観光の一日。

しかし、疲れた(^◇^;)

月曜日からはまた新しいクラスメートが加わって、新しいスタートだ(大分不安)。